2006年秋季企画展「動物による表現―華角と皮革工芸」2006年10月6日(金)~12月24日(日)
華角三層チャン 朝鮮時代末期
開催にあたって
朝鮮には「華角」とう独特の工芸品があります。華角技法とは選りだした牛の角を加工して透明の角紙をつくり、それに絵画や彩色を施して木質工芸に貼り付けて装飾するものです。この華角という工芸品が牛の角を利用したものであることは一般にあまり知られておりません。 本展は「華角」の紹介を中心に動物の角や皮、甲羅などの部位を利用した工芸品や絵画のなかの動物の姿を対象といたします。これらの美術工芸品から朝鮮における野性味あふれる自然観と円熟した加工技術も感じていただける機会となります。 秋には是非とも高麗美術館で動物たちと触れ合ってください。
開館情報
■会 期 | 2006年10月6日(金)~12月24日(日) |
■開館時間 | 午前10時~午後5時 ※入館は午後4時30分まで |
■休館日 | 毎週月曜日、10/10(火 )※ただし10/9(月)は開館。 |
■入館料 |
一般500(400)円、大高生400(320)円、小中生300(240)円
( )内は20名以上でご来館の団体割引料金です。 |
■関連イベント |
ギャラリートーク 10月28日(土)14時より、当館研究員が展示解説をいたします。 (予約不要・入館料のみ) |
■主な出展品 |
・華角三層チャン:かかくさんそうちゃん(朝鮮時代末期) ・鮫皮螺鈿玳瑁双龍文籠 :さめがわらでんそうりゅうもんのん(朝鮮時代末期) ・玳瑁印函:たいまいいんはこ(朝鮮時代末期) ・花卉草虫図 :かきそうちゅうず(朝鮮時代 16~17世紀) ・直符使者図 :じきふししゃず(朝鮮時代 17世紀) ・鵲虎図 :じゃっこず(朝鮮時代 19世紀) ・文字図:もじず(朝鮮時代末期) 総出品数約50点 |
主な出品紹介
華角三層チャン(朝鮮時代末期) ※チャンとは箪笥のこと | |
華角工芸とは牛の角を透明になるほど研ぎだして紙のように加工し、それに彩色を施して木地に貼り付けたものである。この三層チャンには囍文や牡丹、鳳凰、鹿、仙人を表した角紙が159枚貼り付けられている。華角華角は主に王宮や両班の女性の部屋に存在したものあり、富貴の象徴ともいえる。 |
鮫皮螺鈿双龍文ノン(朝鮮時代末期) |
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この籠は木地に漆をひいたところに黄銅製の撚糸や鮫皮、玳瑁、螺鈿などの素材を象嵌する技法がとられている。撚糸で龍の姿を象り、鱗や鬚、顔は白い鮫皮で埋め、背びれや舌などはピンク色に染められた鮫皮を用いている。そのほか、龍が掴む宝珠や太極は玳瑁で、余白に浮き出す雲は螺鈿で表現している。 |
直符使者図(朝鮮時代 17世紀) |
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直符使者とは亡者の生前の行いを書き記した行簿を十王に提出する役割を担う。乗馬するのに都合のよい靴や帽子を被り、折り畳んだ奉書をつけた棒を握っている。腰にぶら下げた粧刀の鞘には凸状の突起が見えることから、鮫皮製であるものと思われる。 |