
開催にあたって
「やきもの」の長い歴史のなかで、とりわけ東アジア圏において朝鮮では、中国と日本の陶磁と密接に関係しながら、それぞれの時代精神を反映して発展してきました。朝鮮の代表的な陶磁として、気品ある高麗青磁、清楚な朝鮮白磁、そして奔放な粉青沙器が世界に名を馳せています。なかでも高麗青磁は優美かつ繊細な色と形、高度な作陶技術により高く評価されています。
10世紀初頭、朝鮮半島に初めての統一国家として高麗王朝(918-1392)が誕生。仏教文化の風土と高貴な気風のもとに、高麗では中国青磁の影響を受けつつも、次第にそれらを昇華し、「翡色青磁」と呼ばれる特有の翡色の釉色と文様装飾によって、粋を極めます。12世紀中葉には、装飾技法がさらに深化し、独自の象嵌青磁が生まれます。そこには、雲間を飛翔する鶴の群れや、牡丹や菊などをモチーフにした穏やかで品格ある世界が広がっています。
本展では高麗美術館創設者・鄭詔文氏(1918-1989)のコレクションから高麗青磁の梅瓶や壺をはじめ様々な作品を網羅し、また朝鮮白磁なども併せて紹介することにより、朝鮮のやきものの歴史的な流れや系譜を概観します。さらには朝鮮時代の絵画のほか、家具調度など工芸分野の名品もご覧いただきます。
開館情報
■会 期 |
2012年6月9日(土)~9月2日(日) |
■開館時間 |
午前10時~午後5時 ※入館は午後4時30分まで |
■休館日 |
月曜日 ※7/16(月・祝)は開館。 |
■入館料 |
一般500円、大高生400円、中学生以下無料
※障害者手帳をお持ちのご本人と付添いの方1名まで無料。
※65才以上の方は一般料金より2割引します。(年齢の確認できるものをご提示ください)
※( )内は20名以上の団体料金。なお、事前申込にて展示解説も承っております。
詳しくは高麗美術館(電話075-491-1192)まで。
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■主な出展品 |
・青磁象嵌雲鶴文碗
・青磁陰刻蓮華文梅瓶
・青磁象嵌菊花文盞托
・青磁象嵌牡丹文扁壺
・青磁鉄彩白象嵌草花文梅瓶
・冊架図六曲屏風
・花卉草虫図 双幅
・白磁壺 など約80点 |
■関連イベント |
ポジャギ作り5時間教室「すずやかな青磁色の苧麻(モシ)のチョガッポをつくる」 |
関連イベント
ワークショップ【ポジャギづくり5時間教室】
すずやかな青磁色の苧麻(モシ)のチョガッポをつくる
講師:中野啓子先生
布の構成から効率的な縫い方に至るまで、
ポジャギづくりのノウハウをじっくりと
5時間にわたりご指導いただきます。
開催日 ①7月8日(日) 11:00~16:00 ②8月4日(土)11:00~16:00
会 場 高麗美術館マダン
参加費 7,000円
定 員 各回20名(定員に達し次第締め切り)
申 込 事前申込制・先着順。
電話で高麗美術館研究所(TEL075-494-2238)へお申込みください。
持参物 クラフトはさみ、ヘラ
【中野啓子先生】
1990年頃韓国ソウルで初めてポジャギに出会い、深く傾倒。
2001~03年、ポジャギ作家・崔福姫先生の日本での個展を神戸、奈良で主催。
2003年からグループ展、09年奈良「秋篠の森」でグループ展、
高麗美術館で作品展示及びワークショップ開催。神戸市在住。