鉄造如来坐像(統一新羅末~高麗初)
朝鮮において三国時代に伝来した仏教は、高麗時代には護国思想として隆盛を極めました。その後、儒教社会であった朝鮮時代にも命脈を保ち続け、現在でも深く信仰されています。
本年度は、朝鮮の仏教文化に目を向け、今に伝わる史跡、名刹の建築様式、工芸品などから、朝鮮仏教の思想と歴史を読み解きます。
講座名称 | 第113回 高麗美術館研究講座 |
タイトル | 法隆寺再建時の仏教工芸にみる百済・新羅の余影(済) |
講 師 | 河田 貞先生(奈良国立博物館名誉館員) |
日 時 | 2010年2月27日(土)/午後1時~2時30分 |
内 容 | 法隆寺(西院伽藍)は天智9年(670)に聖徳太子創建の伽藍が罹災したのち再建されたとするのがこれまでの通説でししたが、近年、それ以前に着工されていたとする新創建説(併存説)も浮上、注目を集めています。いずれにせよ、金堂や五重塔には7世紀前後における朝鮮半島(百済・新羅)の影響を示唆する工芸品もいまなお厳然として存在、往時の緊密な交流関係を物語ってくれます。五重塔心礎舎利孔奉安の舎利具、金堂の天蓋、法隆寺献納宝物(東博保管)中の金堂灌頂幡などに視点を据え、その一端を考察します。 |
講座名称 | 第112回 高麗美術館研究講座 |
タイトル | 高麗時代の仏教建築と日本(済) |
講 師 | 西垣 安比古先生(京都大学大学院教授) |
日 時 | 2009年11月28日(土)/午後1時~2時30分 |
内 容 | 高麗時代の建築遺構として鳳停寺極楽殿、修徳寺大雄殿などがありますが、これらの建物は柱の上にだけ組み物が置かれる柱心包系の構造をもっています。しかし、高麗時代末頃になると柱と柱の間にも組み物が配置される多包系の構造がもたらされ、やがて柱心包を凌駕して重要な建物に採用されるようになります。日本でも同じ頃、詰め組(=他包)の禅宗様がもたらされ類似した変化がみられますが、この期の日韓の仏教建築を比較してその類似点と差異点を明らかにします。 |
講座名称 | 第111回 高麗美術館研究講座 |
タイトル | 考古学からみた朝鮮古代の仏教(済) |
講 師 | 門田 誠一先生(仏教大学教授、宗教文化ミュージアム館長) |
日 時 | 2009年8月22日(土)/午後1時~2時30分 |
内 容 |
近年における朝鮮三国時代の寺院址の発掘調査の成果は目をみはるものがあります。今回は、そのなかでも百済の王室と関連し、かつ日本の古代仏教とも関わりの深い陵寺、王興寺、弥勒寺などの発掘調査の成果を紹介し、それらのもつ意味を東アジアの次元で考えます。 |
講座名称 | 第110回 高麗美術館研究講座 |
タイトル | 古代朝鮮三国と日本の佛教 (済) |
講 師 | 坂元 義種 先生(京都府立大学名誉教授) |
日 時 |
2009年7月4日(土)/午後1時~2時30分 5/23休講、7/4振替 |
内 容 | 中国から朝鮮三国(高句麗・百済・新羅)に佛教が伝来した経緯とその発展の歴史を概括し、また、この朝鮮三国から日本に仏教が伝来した歴史について、それぞれ史料に即して具体的に検討してみることにします。 |
2009年度 高麗美術館研究講座 年間スケジュール
7月4日(土)/午後1時~2時30分 (済) |
「古代朝鮮三国と日本の仏教」 坂元 義種 先生(京都府立大学名誉教授) |
8月22日(土)/午後1時~2時30分(済) |
「考古学からみた朝鮮古代の仏教」 門田 誠一 先生(佛教大学教授・宗教文化ミュージアム館長) |
11月28日(土)/午後1時~2時30分(済) |
「高麗時代の仏教建築と日本」 西垣 安比古 先生(京都大学大学院教授) |
2010年2月27日(土)/午後1時~2時30分(済) |
「法隆寺再建時の仏教工芸品にみる百済・新羅の余影」 河田 貞 先生(奈良国立博物館名誉館員) |