35週年記念は終了致しました。現在、冬季休館中です(2024年3月末まで)
 
 
35周年を記念する今年の展覧会は、春、夏、秋の3回にわたり創設者・故鄭(てい)詔(しょう)文(ぶん)氏(1918~1989)が蒐集したおよそ1700点の朝鮮半島の美術工芸品からよりすぐってご覧いただきます。鄭詔文コレクションは青銅器や瓦などの考古資料から各時代を代表する絵画や書画、仏教美術、そして螺鈿漆器や華角といった木工家具や民具など多岐にわたります。その中で朝鮮通信使に関する美術品3点は「ユネスコ世界の記憶」(2017年)に指定されています。鄭が妻の呉連順(1935~2019)と仕事の苦労を共にしながら、収蔵品のすべてを日本の地で収集し、朝鮮半島専門の美術文化研究所を併設した日本初の美術館を設立したことは公益財団法人高麗美術館の最大の特徴と言えます。1925年に6才で鄭は両親と京都に移り住み、生涯一度も訪れることのなかった故郷への想いは、京都の一軒の店先で邂逅(かいこう)したひとつの白磁に込められています。朝鮮半島の古から近代にいたる名もなき人々の民衆芸術や、王宮の官職による手仕事など多岐にわたる美術作品の背景には私達と同じように美しいと感じる心が有ります。そして高麗美術館の設立には鄭とともに朝鮮半島の美術や文化を通して季刊誌『日本のなかの朝鮮文化』を発行した日本の知識人たちとの交流が礎となっていました。今展覧会では鄭が京都で出会った人々との連帯や高麗美術館で出会う朝鮮半島の美を季節の移り替わりを通して楽しんでいただければと思います。